労働基準法 実践編

運行管理者(旅客)試験 練習問題22問/すべて解説つき
実践レベル
運行管理者(旅客)試験の労働基準法から、実践レベルの22問を掲載しています。 各問題には正解と詳しい解説を付けているので、答え合わせをしながら読み進められます。 法令改正にも随時対応しており、2024年4月の改善基準告示改正、2025年4月の継続検査に関する改正なども反映済みです。

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📖 労働基準法のポイント

法定労働時間と休日

法定労働時間は1日8時間、1週40時間。毎週少なくとも1日(又は4週間に4日以上)の休日が必要です。時間外労働には36協定の締結・届出が必要です。

改善基準告示の数値(頻出!)

【1日の拘束時間】原則13時間以内、最大15時間(14時間超は週3回まで)。【1ヵ月の拘束時間】原則281時間以内・1年3,300時間以内(4週平均を用いる場合は1週間あたり65時間以内・52週3,300時間以内)。労使協定を締結した場合は1年について6ヵ月まで1ヵ月294時間・1年3,400時間まで延長できます(4週平均の場合は52週のうち24週まで1週68時間・52週3,400時間)。【休息期間】継続11時間以上を基本、9時間を下回らない。【1日の運転時間】原則9時間以内(2日平均)。【連続運転時間】4時間以内(4時間ごとに合計30分以上の休憩)。

📑 このページの問題(22問)

問1

バス運転者が1日15時間拘束された場合、翌日の休息期間は最低何時間必要か?

  • A8時間以上
  • B9時間以上正解
  • C11時間以上
  • D15時間以上
正解B
解説休息期間は勤務終了後、継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回ってはなりません。1日の拘束時間15時間と休息期間9時間を足すと24時間になり、これが上限どうしの組合せです。改正前の「継続8時間以上」は現行では誤りです。
問2

1ヵ月の拘束時間が281時間を超えそうな場合の対応は?

  • A超えても問題ない
  • B乗務割を見直し281時間以内に収める正解
  • C運転者に相談して決める
  • D翌月で調整する
正解B
解説281時間以内になるよう乗務割を見直します。乗務割は改善基準告示に定める拘束時間・休息期間・運転時間の範囲内で作成し、運転者に対して適切に通知します。作成は運行管理者の業務です。誤答(超えても問題ない/運転者に相談して決める/翌月で調整する)は、安全確保より効率や自己判断を優先する内容であったり、法令上求められる措置を欠いていたりするため適切ではありません。安全確保が最優先という原則から判断します。
問3

連続運転4時間の途中で10分の休憩を取った場合、あと何分休憩が必要か?

  • A不要
  • B10分
  • C20分正解
  • D30分
正解C
解説4時間ごとに合計30分以上が必要なので、あと20分です。運転の中断は1回につき連続10分以上で、合計30分以上必要です。10分未満の中断は中断として数えられません。
問4

時間外労働が月45時間を超える月が年間何回まで認められるか?

  • A3回
  • B6回正解
  • C9回
  • D12回
正解B
解説36協定に特別条項を設けても、月45時間を超えることができるのは年6回(6ヵ月)までです。自動車運転者の時間外労働の上限は2024年4月から年960時間とされています。他の選択肢(3回/9回/12回)はいずれも法令等の定めと異なります。
問5

バス運転者の休日労働の回数制限は?

  • A回数の制限はない
  • B2週間に1回が限度正解
  • C4週間に2回が限度
  • D月に1回が限度
正解B
解説改善基準告示では、休日労働は2週間について1回を超えないこととされています。さらに、休日労働によって1ヵ月の拘束時間及び最大拘束時間の限度を超えてはなりません。回数制限と拘束時間の上限の両方を満たす必要がある点に注意してください。他の選択肢(回数の制限はない/4週間に2回が限度/月に1回が限度)はいずれも改善基準告示の定めと異なります。
問6

年次有給休暇の年間5日の取得義務があるのは何日以上付与された労働者か?

  • A5日以上
  • B10日以上正解
  • C15日以上
  • D20日以上
正解B
解説年10日以上の有給休暇が付与された労働者が対象です。6ヵ月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者には10日の年次有給休暇を与えます。付与日数が10日以上の労働者には年5日の時季指定義務があります。他の選択肢(5日以上/15日以上/20日以上)はいずれも法令等の定めと異なります。
問7

深夜労働の割増賃金率は?

  • A15%以上
  • B25%以上正解
  • C35%以上
  • D50%以上
正解B
解説深夜労働は25%以上の割増です。割増賃金率は、時間外労働25%以上(1ヵ月60時間超は50%以上)、深夜労働25%以上、休日労働35%以上です。
問8

使用者が労働者を即時解雇できる場合は?

  • A予告手当を支払えばいかなる場合も即時解雇できる
  • B労働者の責に帰すべき事由があり労基署長の認定を受けた場合正解
  • C使用者が経営上必要と認めた場合はいつでもできる
  • D他の労働者の過半数の同意があれば即時解雇できる
正解B
解説労働者の責に帰すべき事由があり、労基署長の認定を受けた場合に即時解雇可能です。他の選択肢(予告手当を支払えばいかなる場合も即時解雇できる/使用者が経営上必要と認めた場合はいつでもできる)はいずれも法令等の定めと異なります。
問9

就業規則を変更した場合に届出が必要な先は?

  • A市区町村長
  • B都道府県知事
  • C労働基準監督署長正解
  • D国土交通大臣
正解C
解説労働基準監督署長に届け出ます。就業規則の作成・変更は労働基準監督署長に届け出ます。常時10人以上の労働者を使用する使用者に作成義務があります。他の選択肢(市区町村長/都道府県知事/国土交通大臣)はいずれも法令等の定めと異なります。
問10

年少者(18歳未満)に原則として禁止されている労働は?

  • A事務労働
  • B深夜労働正解
  • C軽作業
  • D接客業
正解B
解説年少者には深夜労働が原則禁止です。満18歳未満の年少者は、午後10時から午前5時までの深夜労働が原則禁止です。危険有害業務や坑内労働にも就かせられません。他の選択肢(事務労働/軽作業/接客業)はいずれも法令等の定めと異なります。
問11

変形労働時間制を採用する場合の要件は?

  • A事業者が自由に決定できる
  • B労使協定の締結又は就業規則への定めが必要正解
  • C届出のみ
  • D労働者の個別同意が必要
正解B
解説労使協定の締結又は就業規則への定めが必要です。変形労働時間制の採用には、労使協定の締結又は就業規則等への定めが必要です。1ヵ月単位・1年単位・1週間単位などの類型があります。他の選択肢(事業者が自由に決定できる/届出のみ/労働者の個別同意が必要)はいずれも法令等の定めと異なります。
問12

バス運転者が2日にわたる運行の場合、始業から最大何時間まで拘束できるか?

  • A21時間正解
  • B24時間
  • C27時間
  • D制限なし
正解A
解説2日にわたる運行の場合、始業から24時間以内に拘束を終了する必要がありますが、特例で21時間ルールが適用される場合があります。
問13

改善基準告示において、フェリーに乗船する場合の休息期間の取り扱いは?

  • Aフェリー乗船時間は拘束時間に含む
  • Bフェリー乗船時間は休息期間として取り扱うことができる正解
  • Cフェリー乗船時間は運転時間に含む
  • D特に規定はない
正解B
解説フェリー乗船時間は休息期間として取り扱うことができます。休息期間は勤務終了後、継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回ってはなりません(2024年4月改正)。休憩が拘束時間に含まれるのに対し、休息期間は拘束時間の外側にあります。
問14

過労死ラインとされる時間外労働の目安は月何時間か?

  • A45時間
  • B60時間
  • C80時間正解
  • D100時間
正解C
解説月80時間の時間外労働が過労死ラインの目安とされています。時間外労働・休日労働をさせるには労使協定(36協定)を締結し行政官庁に届け出る必要があります。自動車運転者の時間外労働の上限は2024年4月から年960時間です。
問15

上表のような運転時間の場合、改善基準告示の『2日を平均し1日当たりの運転時間』に違反している日があるか?

  • A違反する組合せはない
  • B2日と3日の平均が違反(9.5時間)
  • C3日と4日の平均が違反(9.5時間)
  • D2日と3日、3日と4日の両方が違反正解
正解D
解説2日と3日の平均=(9+10)/2=9.5時間、3日と4日の平均=(10+9)/2=9.5時間。どちらも改善基準告示の『2日平均で1日9時間以内』に違反しています。両方の平均が9.5時間で、9時間を超えるため違反となります。
問16

上表の4週間平均で判断したとき、改善基準告示に違反する項目は?

  • A拘束時間のみ違反(65時間超)
  • B運転時間のみ違反(40時間超)
  • C拘束時間と運転時間の両方が違反正解
  • D違反する項目はない
正解C
解説2024年4月改正後の基準で判断します。4週平均の拘束時間67.5時間は『4週平均で1週65時間以内』に違反。運転時間43.5時間も『4週平均で1週40時間以内』(改正後)に違反。よって拘束時間・運転時間の両方が違反です。※改正前の旧基準(運転時間44時間)では運転時間は違反になりませんでしたが、現行基準では40時間が上限です。
問17

上図の貸切バス運転者の1日の勤務について、改善基準告示の『連続運転時間』の規定に違反しているか?

  • A違反していない正解
  • B1回目の運転4時間の直後の中断が不足しており違反
  • C最後の運転1時間15分が短すぎて違反
  • D休憩の合計が1時間45分あるので違反はない
正解A
解説連続運転時間の規定は『連続運転4時間以内、運転の中断は1回連続10分以上で合計30分以上』です。①6:30〜10:30の運転4時間の直後に30分の休憩があり適合。②11:00〜13:00(2時間)と14:00〜17:00(3時間)はいずれも4時間以内で、間に1時間の休憩があり適合。③17:00の15分と合わせて中断は十分に確保されています。したがって連続運転時間の規定に違反していません。なお1日の運転時間は10時間15分ですが、運転時間の基準は『2日を平均し1日9時間以内』なので、前日または翌日の運転時間と合わせて判定します。他の選択肢(1回目の運転4時間の直後の中断が不足しており違反/最後の運転1時間15分が短すぎて違反)はいずれも法令等の定めと異なります。
問18

上表の運転者は、改善基準告示の『1年間の拘束時間』の上限に対してどう評価できるか?年間ベースで4週ペースが続いた場合の判定として正しいものは?

  • A4週平均66.25時間×13期間=年間約3,445時間で、上限3,300時間を超過正解
  • B4週平均で考えれば年間3,300時間以下に収まる
  • C拘束時間は問題ないが運転時間が違反
  • D年間上限の規定はないため違反なし
正解A
解説年間拘束時間=66.25時間×52週=3,445時間。改善基準告示の年間上限3,300時間を超過するため違反となります。短期間で問題なくとも、年間ペースで考えると上限超過のケースは多いため、長期的な労務管理が重要です。他の選択肢(4週平均で考えれば年間3,300時間以下に収まる/拘束時間は問題ないが運転時間が違反/年間上限の規定はないため違反なし)は法令が定める数値と異なります。近い数字を並べて迷わせるのが典型的な出題形式です。
問19 複数選択

労働基準法における36協定について正しいものを2つ選びなさい。

  • A時間外労働をさせるためには労使協定の締結と労基署への届出が必要正解
  • B原則的な時間外労働の上限は月45時間・年360時間正解
  • C36協定があれば無制限に時間外労働が可能
  • D36協定の届出は不要
正解A・B
解説正解はAとB。【A】36協定の締結+労基署届出が必要。【B】原則:月45時間・年360時間。【誤りC】特別条項でも年720時間、月100時間未満、複数月平均80時間等の上限あり。【誤りD】届出は必須。
問20 複数選択

改善基準告示における拘束時間の延長特例について正しいものを2つ選びなさい。

  • A労使協定により1ヵ月294時間まで延長できる正解
  • B延長できるのは1年について6ヵ月までである正解
  • C延長した場合の1年の拘束時間は3,300時間以内である
  • D281時間を超える月は2ヵ月を超えて連続してはならない
正解A・B
解説正解はAとB。1ヵ月の拘束時間は原則281時間以内ですが、労使協定を締結した場合は1年について6ヵ月まで1ヵ月294時間まで延長できます。【誤りC】延長した場合の1年の拘束時間は3,300時間ではなく3,400時間以内です。【誤りD】281時間を超える月は「4ヵ月を超えて連続してはならない」とされており、2ヵ月ではありません。4週平均を用いる場合は、52週のうち24週まで4週平均1週68時間まで延長でき、52週3,400時間以内となります。
問21 複数選択

労働基準法における解雇の規定について正しいものを2つ選びなさい。

  • A少なくとも30日前に予告するか30日分以上の平均賃金を支払う正解
  • B業務上の負傷による療養期間とその後30日間は解雇できない正解
  • C解雇予告の除外事由に該当する場合は行政官庁の認定は不要である
  • D産前産後休業の期間とその後14日間は解雇できない
正解A・B
解説正解はAとB。【A】労働者を解雇する場合は少なくとも30日前の予告か、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)の支払が必要です。【B】業務上の負傷・疾病による療養のため休業する期間とその後30日間は解雇が制限されます。【誤りC】労働者の責に帰すべき事由による即時解雇には、所轄労働基準監督署長の認定が必要です。【誤りD】産前産後の休業期間とその後の期間も30日間で、14日間ではありません。
問22 穴埋め

次の文中、A・B・Cに入るべき語句を選びなさい。(改善基準告示:運転時間と連続運転時間)

使用者は、バス運転者の運転時間は、2日を平均し1日当たり【 A 】時間、4週間を平均し1週間当たり【 B 】時間を超えないものとすること。

連続運転時間は4時間を超えないものとすること。この場合において、運転の中断については、原則として1回が連続【 C 】分以上、かつ、合計30分以上の運転の中断をすることを要するものとする。
A① 9 ② 10
B① 44 ② 40
C① 10 ② 15
正解A=①/B=②/C=①
解説A=①9、B=②40、C=①10。運転時間は2日を平均し1日9時間以内、4週を平均し1週40時間以内です。2日平均は特定日の前日との平均・翌日との平均の両方が9時間を超えたときに違反となります。連続運転時間は4時間以内で、中断は1回連続10分以上・合計30分以上が必要です。10分未満の中断は中断として数えられません。なお運転時間は労使協定によっても延長できません(延長できるのは拘束時間のみ)。

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