運行管理者(旅客)試験の
実務上の知識から、
標準レベルの22問を掲載しています。
各問題には正解と詳しい解説を付けているので、答え合わせをしながら読み進められます。
法令改正にも随時対応しており、2024年4月の改善基準告示改正、2025年4月の継続検査に関する改正なども反映済みです。
問題を
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📖 実務上の知識のポイント
適性診断
初任運転者・高齢運転者(65歳以上)・事故惹起運転者は適性診断の受診が義務。高齢運転者は65歳に達した日以後1年以内に1回、その後は75歳に達するまで3年以内ごとに1回、75歳に達した日以後は1年以内ごとに1回。勤続年数による義務はありません。
初任運転者への指導
貸切バスの初任運転者には、座学を合計10時間以上と、安全運転の実技を20時間以上実施します(貸切バス以外の一般旅客自動車・特定旅客自動車は座学6時間以上)。実技は実際に運行する可能性のある経路で、同一の車種区分の自動車を運転させ、添乗により指導します。事故惹起運転者への指導は再度乗務する前に実施します。
問1
貸切バスの初任運転者に対する特別な指導の時間として正しい組合せは?
- A座学6時間以上+実技10時間以上
- B座学10時間以上+実技20時間以上正解
- C座学20時間以上+実技10時間以上
- D座学15時間以上+実技15時間以上
正解B
解説貸切バスの運転者に対しては、座学(①〜⑥)を合計10時間以上、安全運転の実技(⑦)を20時間以上実施します。実技はドライブレコーダーで記録する必要があり、指導は運転者に選任される前に行います。貸切バス以外の一般旅客自動車・特定旅客自動車の運転者は座学(①〜④)が合計6時間以上です。他の選択肢(座学6時間以上+実技10時間以上/座学20時間以上+実技10時間以上/座学15時間以上+実技15時間以上)はいずれも法令等の定めと異なります。
問2
一般貸切旅客自動車運送事業におけるデジタル式運行記録計(デジタコ)の義務化について正しいものは?
- A2024年4月から新規登録車、2025年4月からすべての車両で義務化された正解
- B2024年4月からすべての車両で義務化された
- C装着は任意で義務ではない
- D2026年4月から義務化される予定である
正解A
解説貸切バスの安全対策強化により、2024年4月1日以降に新規登録を受けた車両からデジタル式運行記録計の使用が義務づけられ、2025年4月1日からは既存車両を含むすべての貸切バスで完全義務化されました。一般貸切旅客自動車運送事業者は、その記録を電磁的方法により記録・保存する必要があります。
問3
運行計画作成で最も重要な考慮事項は?
- A燃料コスト削減
- B拘束時間・運転時間の基準遵守正解
- C快適性のみ
- D最短ルートのみ
正解B
解説改善基準告示の基準遵守が最も重要です。バス運転者の拘束時間は1日原則13時間以内・最大15時間(14時間超は週3回までが目安)、1ヵ月281時間以内、1年3,300時間以内が原則です。労使協定により1ヵ月294時間・1年3,400時間まで延長できます。誤答(燃料コスト削減/快適性のみ/最短ルートのみ)は、安全確保より効率や自己判断を優先する内容であったり、法令上求められる措置を欠いていたりするため適切ではありません。安全確保が最優先という原則から判断します。
問4
自動点呼について正しいものは?
- A業務後自動点呼に加え、令和7年4月30日から業務前自動点呼も制度化された正解
- B実施には運行管理者の立会いが必要である
- Cどのような機器でも使用できる
- D一般貸切旅客自動車運送事業では実施できない
正解A
解説自動点呼は国土交通省の認定を受けた機器を用い、運行管理者等の立会いなしに実施する点呼です。まず業務後自動点呼が認められ、令和7年4月30日の点呼告示改正により業務前自動点呼も制度化されました。機器の認定制度がなくなった遠隔点呼と異なり、自動点呼は認定機器の使用が必須です。他の選択肢(実施には運行管理者の立会いが必要である/どのような機器でも使用できる/一般貸切旅客自動車運送事業では実施できない)はいずれも法令等の定めと異なります。
問5
輸送の安全に関する情報で事業者が公表すべき事項は?
- A従業員の給与
- B安全に関する基本的な方針正解
- C旅客の個人情報
- D車両の購入価格
正解B
解説輸送の安全に関する基本的な方針、安全に関する目標及び達成状況、事故に関する統計を毎事業年度経過後100日以内に公表します。安全管理規程を定めた事業者は、その内容も公表の対象となります。他の選択肢(従業員の給与/旅客の個人情報/車両の購入価格)はいずれも法令等の定めと異なります。
問6
遠隔点呼について正しいものは?
- A輸送の安全確保の取組が優良と認められる営業所でなければ実施できない
- B要件を満たして届け出れば、営業所の優良性を問わず実施できる正解
- C国土交通大臣の認可を受ける必要がある
- D業務前点呼にのみ使用できる
正解B
解説遠隔点呼は令和4年4月に始まり、現在は点呼告示に位置づけられています。機器・システム、施設・環境、運用の要件を満たして運輸支局へ届け出れば、営業所の優良性(Gマーク等)を問わず実施できます。実施できる場所は営業所と車庫の間、同一事業者内の営業所間、グループ企業の営業所間などです。他の選択肢(輸送の安全確保の取組が優良と認められる営業所でなければ実施できない/国土交通大臣の認可を受ける必要がある)はいずれも法令等の定めと異なります。
問7
安全運転の実技は初任運転者に何時間以上実施するか?
- A6時間以上
- B10時間以上
- C15時間以上
- D20時間以上正解
正解D
解説20時間以上の実技が必要です。貸切バスの初任運転者には座学(①〜⑥)を合計10時間以上、安全運転の実技(⑦)を20時間以上実施します。実施時期は運転者として選任される前です。
問8
事故を起こした営業所の運行管理者が受講すべき講習は?
- A基礎講習
- B一般講習
- C特別講習正解
- D受講不要
正解C
解説特別講習の受講が必要です。運行管理者は営業所ごとに選任します。アルコール検知器も営業所ごとに備え、常時有効に保持しなければなりません。他の選択肢(基礎講習/一般講習/受講不要)はいずれも法令等の定めと異なります。
問9
運行管理者が不在の場合に点呼を行う補助者の要件は?
- A運転免許保有
- B資格者証保有又は基礎講習修了正解
- C5年以上の運転経験
- D誰でもよい
正解B
解説補助者は運行管理者資格者証を有する者又は基礎講習修了者から選任します。補助者が点呼において運転者の異常を認めたときは、その場で判断せず運行管理者に報告し指示を受ける体制にしておく必要があります。他の選択肢(運転免許保有/5年以上の運転経験/誰でもよい)はいずれも法令等の定めと異なります。
問10
深夜業に従事する運転者の健康診断の頻度は?
- A1年に1回
- B6ヵ月に1回正解
- C3ヵ月に1回
- D毎月1回
正解B
解説深夜業を含む業務に常時従事する労働者には、6ヵ月以内ごとに1回の定期健康診断が必要です(労働安全衛生規則第45条)。通常の定期健康診断は1年以内ごとに1回なので、バス運転者は頻度が高くなります。健康診断の結果は5年間保存します。他の選択肢(1年に1回/3ヵ月に1回/毎月1回)はいずれも法令等の定めと異なります。
問11
貸切バスの安全運行のために事前に実施すべき「下見運行」の目的は?
- A観光地の確認
- B経路の道路状況・危険箇所・休憩場所等の確認正解
- C燃料費の計算
- D乗客へのサービス向上
正解B
解説道路状況、危険箇所、休憩場所、駐車場所等を事前に確認します。他の選択肢(観光地の確認/燃料費の計算/乗客へのサービス向上)はいずれも法令等の定めと異なります。
問12
運転者の過労を防止するために運行管理者が行うべき最も重要なことは?
- A運転者に自己管理を任せる
- B勤務時間・乗務割を適切に管理する正解
- C健康食品を配布する
- D休憩室にテレビを設置する
正解B
解説過労運転を防止するには、事業者が定めた勤務時間及び乗務時間の範囲内で乗務割を作成し、改善基準告示に適合した運行を組むことが最も重要です(運輸規則第48条)。あわせて業務前点呼で疲労・睡眠不足の状況を確認し、安全な運転ができないおそれがあるときは乗務させない判断も必要です。他の選択肢(運転者に自己管理を任せる/健康食品を配布する/休憩室にテレビを設置する)は、運転者個人の努力や福利厚生に委ねるものであり、事業者・運行管理者が果たすべき過労運転防止措置にはあたりません。
問13
運行管理者が点呼で「乗務させてはならない」と判断すべき状態は?
- A運転者が眠そうな表情をしている場合に限られる
- B酒気帯び・疾病・疲労等で安全な運転ができないおそれがある場合正解
- C運転者の機嫌が悪く受け答えが不十分な場合
- D制服の乱れなど身だしなみに問題がある場合
正解B
解説酒気帯び、疾病、過度の疲労等で安全な運転ができないおそれがある場合です。他の選択肢(運転者が眠そうな表情をしている場合に限られる/運転者の機嫌が悪く受け答えが不十分な場合)はいずれも法令等の定めと異なります。
問14
バスの乗客定員を超えて乗車させることは?
- A混雑時は許可される
- Bいかなる場合も認められない正解
- C事業者の判断で可能
- D短距離なら可能
正解B
解説乗車定員を超える乗車は認められません。乗車定員を超えて乗車させることはできません。旅客が乗車定員を超えて乗車しようとする場合は、運送の引受けを拒絶できます。他の選択肢(混雑時は許可される/事業者の判断で可能/短距離なら可能)はいずれも法令等の定めと異なります。
問15
高速道路上での緊急時に乗客を退避させる場合の注意点は?
- A走行車線側となる車両の右側から順に降車させる
- B車両の左側(路肩側)から降車させ、ガードレールの外側に避難させる正解
- C危険なので乗客は全員車内で待機させる
- D乗客それぞれの判断に任せて自由に行動させる
正解B
解説左側から降車させ、ガードレールの外側に避難させます。高速自動車国道の最低速度は50km/hです。故障等で停車する場合は、停止表示器材を設置して後続車に知らせなければなりません。他の選択肢(走行車線側となる車両の右側から順に降車させる/危険なので乗客は全員車内で待機させる)はいずれも法令等の定めと異なります。
問16
複数選択
運転者の健康管理について、事業者が実施すべき事項として正しいものを2つ選びなさい。
- A運転者の定期健康診断(1年に1回、深夜業従事者は6ヵ月に1回)の実施正解
- B健康診断結果に基づく就業上の措置正解
- C運転者からの健康相談の拒絶
- D健康に関する情報の同業他社への共有
正解A・B
解説正解はAとB。【A】定期健康診断の実施は労働安全衛生法で義務付けられている(正しい)。【B】健診結果に基づき就業上の措置(時間短縮、配置転換等)は正しい。【誤りC】健康相談は受け付け、適切に対応すべき。【誤りD】個人情報保護の観点から、他社への共有は禁止。
問17
複数選択
乗合バスの運転者として安全運転のため心得るべき事項として正しいものを2つ選びなさい。
- A発進時は乗客の動きを確認してから発進する正解
- B急ブレーキ・急ハンドルを避け滑らかに運転する正解
- C運転中の携帯電話の使用は短時間なら可能
- D乗客が多い時は速度を上げて時間を短縮する
正解A・B
解説正解はAとB。【A】発進時の乗客動き確認は正しい(高齢者や立ち客の転倒事故防止)。【B】急ブレーキ・急ハンドル回避は車内事故防止のため重要。【誤りC】運転中の携帯電話使用は短時間でも違反(保持は3点・反則金)。【誤りD】速度を上げるのは安全運転に反する。
問18
複数選択
乗客対応として適切なものを2つ選びなさい。
- A高齢者・障害者の乗降時に必要な介助を行う正解
- B運行ダイヤを最優先し乗客のクレームは無視する
- C運賃トラブル発生時は運送約款に基づき適切に対応正解
- D車内事故が発生しても運行を継続する
正解A・C
解説正解はAとC。【A】高齢者・障害者への介助は乗務員の務め(バリアフリー法等)。【C】運賃トラブルは運送約款に基づき対応。【誤りB】乗客クレームには真摯に対応すべき。【誤りD】車内事故発生時は安全な場所に停車し、必要な救護措置を取る。
問19
複数選択
ドライブレコーダーの活用方法として適切なものを2つ選びなさい。
- Aヒヤリ・ハット映像を分析し運転者教育に活用正解
- B事故発生時の客観的状況把握正解
- C個人のプライバシー権を考慮せず映像を社外公開
- D運転者が見ていないので緊張感を持たせる目的のみで設置
正解A・B
解説正解はAとB。【A】ヒヤリ・ハット映像分析は安全教育に有効。【B】事故時の客観的記録は重要。【誤りC】乗客や歩行者のプライバシー保護に配慮が必要、社外公開は慎重に。【誤りD】緊張感を持たせる目的のみは不適切、安全運転支援に活用すべき。
問20
複数選択
運転者の健康管理について正しいものを2つ選びなさい。
- A深夜業に常時従事する運転者は6ヵ月以内ごとに1回の健康診断が必要である正解
- B健康診断の結果は5年間保存しなければならない正解
- C睡眠時無呼吸症候群の検査は自覚症状を申告した者のみを対象とする
- D健康診断の受診は運転者の判断に委ねてよい
正解A・B
解説正解はAとB。【A】深夜業を含む業務に常時従事する労働者は6ヵ月以内ごとに1回の定期健康診断が必要です(通常は1年以内ごとに1回)。【B】健康診断の結果は5年間保存します。【誤りC】睡眠時無呼吸症候群(SAS)は自覚症状がないまま進行することが多いため、自覚症状の有無にかかわらず全運転者を対象としたスクリーニング検査が推奨されます。【誤りD】事業者には健康診断を実施する義務があり、運転者の判断に委ねることはできません。
問21
複数選択
運行計画の作成において運行管理者が確認すべき事項として正しいものを2つ選びなさい。
- A連続運転時間が4時間以内となるよう休憩を配置しているか正解
- B1日の拘束時間が原則13時間以内(最大15時間)に収まっているか正解
- C燃料費が最小になる経路を選定しているか
- D運転者が希望する時間帯に合わせているか
正解A・B
解説正解はAとB。運行計画は改善基準告示に適合していることが大前提です。【A】連続運転時間は4時間以内で、その間に1回連続10分以上・合計30分以上の中断が必要なため、休憩できる場所を含めて計画します。【B】1日の拘束時間は原則13時間以内、延長する場合も最大15時間(14時間超は週3回までが目安)です。【誤りC・D】コストや個人の希望は考慮事項ではあっても、輸送の安全確保に優先するものではありません。
問22
複数選択
貸切バスの交替運転者の配置基準について正しいものを2つ選びなさい。
- A夜間ワンマン運行の一運行の実車距離は原則400kmが上限である正解
- B昼間ワンマン運行の一運行の実車距離は原則400kmが上限である
- C一定の要件を満たす場合は夜間ワンマン運行を500kmまで行うことができる正解
- D交替運転者を配置すれば実車距離に上限はなくなる
正解A・C
解説正解はAとC。交替運転者の配置基準(通達)により、【A】夜間ワンマン運行の一運行の実車距離は原則400kmが上限です。【C】運行前に11時間以上の休息期間を確保し乗務時間が10時間以内である場合など、一定の要件を満たすときは500kmまで行うことができます。【誤りB】昼間ワンマン運行は原則500kmで、実車運行区間の途中に合計1時間以上の休憩を確保している場合は600kmまでです。【誤りD】配置基準はワンマン運行の上限を定めたもので、これを超える場合に交替運転者を配置します。配置しても改善基準告示の拘束時間・運転時間の基準は適用されます。
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